新人営業担当者を一日でも早く一人前の営業へと育てよう! ~ マネージャーが新人営業に取り組ませるべき、必須となる2つの教育方法!

あなたの会社では、新人営業担当者をどのように育成していますか?

新人を一日でも早く「一人前の営業担当者」へと育成するにはコツがあります。私自身も営業マネージャーの時に実施していた方法です。また、私たちのクライアント企業の営業マネージャーたちが実践して、その効果を手にしています。そのクライアント企業の新人営業担当者は、以前と比べると、より早くお客様と効果的な関係を構築できるようになりました。

今回紹介する育成方法のコツを実践した場合としない場合とでは、新人が「一人前の営業担当者」へと育つ成長スピードが格段に違います。その新人営業担当者を効果的に教育できる2つの育成のコツについて解説します。

マネージャーが新人営業に取り組ませるべき2つの必須となる教育方法のコツ!

新人営業担当者を教育する一般的な教育方法とは?

一般的に多くの企業では、下記の4つの育成方法を組み合わせて新人営業担当者を育成しています。

1. 同行訪問
2. 商品知識
3. 社内業務
4. OJT(On The Job Training、職務内訓練)

同行訪問

入社して早い段階で行われる育成方法は、先輩営業との同行訪問です。先輩営業にお客様先へ連れて行ってもらい、実際の営業を体験します。その際、先輩から下記のような営業としての心構えやコツを教えてもらいます。

◆ お客様への商品説明は、このようなことを説明するんだ!
◆ こういうお客様もいるから、このようなことに注意しないと!
◆ こういうときは、このようにすると効果的なんだ!
◆ こういうことも必ず確認する必要がある!

また、お客様への訪問にふさわしい服装、受付での会話の仕方、会議室での座り方、名刺の渡し方、打合せの話し方など、社会人としての基本的なマナーも体験しながら学びます。

商品知識

2つ目は、商品知識です。商品知識がないとお客様へ適切な商品説明をすることができません。特に、法人営業が扱っている商材は特殊なものが多いため、それをお客様へわかりやすく説明できる商品知識が必要です。営業スキルが向上してくると、商品知識がそれほど無くても営業できるようになります。ですが、新人のうちは、しっかり商品知識を学ぶ必要があります。

社内業務

3つ目は、社内業務についての教育です。社内業務とは、見積の作り方、注文処理や納品の仕方、契約書などの法的知識、営業報告の方法、などです。お客様から依頼されたことを適切に対応するためには、社内の仕組みやシステムを理解し活用できる必要があります。

以上の3つの教育が終了すると、新人営業担当者でも一人で初歩的な営業業務ができるようになります。ついに、新人営業担当者たちは職場へ配属され、営業業務を担い始めます。

OJT(On The Job Training、職務内訓練)

新人営業担当者が職場に配属されたら、先輩営業からお客様を引き継ぎし、営業活動に入ります。そこで行われるのがOJT (On The Job Training、職務内訓練)と呼ばれる育成方法です。そのOJTにおいて新人営業担当者が早く育つかどうかのカギを握るのが上司であるマネージャーです。

マネージャーは、OJTを通して新人営業担当者へ、訪問先の指示やアドバイスをしたり、一緒にお客様への同行訪問をしたり、商談の進め方などの業務を通じた教育をします。

新人営業担当者の営業力(営業スキル)を高める2つのコツ!

1日でも早く、新人を一人前の営業担当者へと育成するためには、OJTを実施するときに上司が行うべき2つのコツがあります。

それは、営業にとって必須スキルである「顧客理解力」と「提案力」の強化です。

新人営業担当者育成のコツ1. 顧客理解力の向上

新人営業担当者には、お客様との商談内容をできるだけ具体的にノートに記録させます。その際、特に注意すべき点はお客様が言っていた内容をできるだけ正確に記録させることです。そして、週に1~2回程度、その新人営業担当者との個別面談を行い、どれか1つの商談を選択してその商談内容を説明させます。その説明させる商談は抜き打ちで決めます。その際、確認することは下記の3つです。

(1) お客様の仕事内容はなにか?
(2) 「お客様の組織が直面している問題や困っていることは何か?」もしくは「お客様個人がお仕事で直面している問題や困っていることは何か?」
(3) 「何かを購入する際の社内手続きの手順とそのために必要な情報や書類は?」

営業である以上、この3つの事には常にアンテナを張っておく必要があります。この3つの情報を理解してお客様との商談を進められる営業担当者は、結果を出すことができています。そのような営業担当者へ早く育てるためにも、新人のときからこの3つに対する感度を高め、これらの情報をより具体的に収集する習慣を身に着けさせることが大切です。

新人営業担当者育成のコツ2. 提案力の向上

以上の情報を集められるようになったら、次は提案力の強化です。「お客様の組織が直面している問題や困っていることは何か?」もしくは「お客様個人が仕事で直面している問題や困っていることは何か?」を解決するための方法を考えさせ、説明させます。これも週に1~2回程度、どれか1つの商談について説明させます。

このようなことを継続することで、新人営業担当者たちの「お客様へ貢献するための提案力」を鍛えます。お客様から言われたことだけを行う営業担当者では結果を出すことができない時代です。常に解決策を考え、その解決策をお客様へ提案できる習慣を身に着けさせるのです。

「顧客理解力」と「提案力」の2つの営業力(営業スキル)強化をすることで得られる効果

法人営業にとって、お客様を理解することは重要なことです。このことは誰も否定しないでしょう。様々な業界の営業マネージャーや営業担当者たちに問いかけましたが、どの業界の営業担当者たちも「重要だ!」と言っていました。

ですが、私たちが営業担当者たちと同行訪問しますと「お客様について理解すべきことを理解できている」営業担当者はあまり多くありません。早い段階から「顧客理解」について訓練を受けている営業担当者は少ないのです。

また、多くの営業は「新しい商品が出ました!」という紹介はできるのですが、「是非この商品を導入されることをご提案します、なぜならば…」とお客様へ提案できる営業は多くありません。「顧客理解力」と「提案力」は、法人営業にとっては必須のスキルです。

早いうちから徹底的にこの2つの能力を訓練し、習慣としてできるようにしておくことが大切です。

「顧客理解力」と「提案力」を徹底的に訓練された営業担当者たちは自信に溢れています。お客様との信頼関係を構築できるからです。営業担当者に「人を正しく理解しようとする」という姿勢があるから、お客様はその営業担当者を信頼するようになるのです。

多くの営業担当者は、「お客様と仲の良い関係ができています」と言いますが、仲良く話ができるだけの関係であることが多いです。「顧客理解力」と「提案力」を発揮できる営業担当者は、「お客様と仲の良い関係ができている」という状態よりも格段に高いレベルである「お客様との信頼関係の構築ができている」状態を実現しています。

「顧客理解力」と「提案力」の強化は、新人営業担当者を育成する時だけに行えば良いものではありません。以前、売上が低迷しているクライアント企業の営業力強化支援を行った時、いくつかの営業チームを比較してみると業績の悪い営業チームはお客様の理解が乏しい状態でした。そのため「しばらくの間、お客様の理解に徹する」という施策を行いました。この活動を通して、一年後、このチームは売上を大きく改善することができました。そのくらい強力な方法なのです。

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新人営業担当者を早く一人前に育てられるかどうかは上司であるマネージャー次第!

プロフェッショナルな営業として活躍できるようになるためには、様々な営業スキルが必要となります。今後、より高度な営業スキルを学習するための前提条件が「顧客の理解」です。「顧客の理解」ができていない状況で高度な営業スキルを学んでも効果はありません。「顧客の理解」は、営業にとって、基本中の基本、かつ、必須スキルです。

新人営業担当者を育てるために、必ず「顧客理解力」と「提案力」の強化に取り組んでください。新人のうちに徹底的に訓練し、習慣化することが大切です。習慣とするために、1年間は継続して実施することをおすすめします。また、新人営業担当者に対して「顧客理解力」と「提案力」の強化を効果的に実施するためには、その指導を行う営業マネージャーへの教育も必須となります。もし、営業マネージャーが「お客様の悩み・問題・課題」に対する意識が乏しく、お客様とそのようなことを話し合うコミュニケーション方法を知らなければ、新人を効果的に指導することができません。

私たちは、多くの営業組織の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。営業力を強化するためのその豊富なノウハウ/経験があります。私たちには、新人営業担当者たちが早く一人前となる強力な研修プログラムがあります。私たちは、「顧客の理解」のスキル強化のプロフェッショナルです。貴社の営業たちの顧客理解力/提案力を強化します。より具体的な内容説明の希望/質問/ご依頼は、下記からお問い合わせください。

(本ノートは、2017年1月16日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
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