グローバルで活躍している営業パーソンが獲得している営業スキルとは? ~ 海外で通用する「世界標準の営業スキル」は、今、日本の営業パーソンにも必須となっている!

グローバルなビジネスチャンスを求めて海外へ進出しています。日本の企業が成長していくためには、経済成長率の低い国内にとどまっているだけではなく、すさまじく成長している海外、とりわけアジアの国々への進出を考えることは当然の選択肢でしょう。しかし、実際に海外に進出して、営業で苦労している企業が多いのも現実です。それはなぜか?

海外進出して取引するお客様は日本企業ではありません。そして、海外でのライバル企業も日本の企業ではなく、世界でしのぎを削るグローバル企業だからです。海外のグローバル企業の営業パーソンは、自社製品の価値提案力、顧客組織や組織内権力といった顧客分析力、競合の情報分析力、交渉力、まさに「プロフェッショナルな営業スキル」で完全武装しています。そのような強力なグローバル営業パーソンとの戦いであるにも関わらず、日本での営業方式で海外での営業をしても勝てるはずがありません。では、どうしたら勝てるのか?

日本企業と海外企業の営業スタイルや営業方法の違い、そして、海外で勝てる営業パーソンの必須スキル、すなわち「世界標準の営業スキル」について解説します。

海外で通用する「世界標準の営業スキル」は、今、日本の営業パーソンにも必須となっている!

日本の営業と海外の営業、こんなにも違いがある

日本の企業が当たり前のように行なっている営業方式は、海外に目を転じると日本独自なものであることに気づきます。日本国内で行われている営業と海外で行われている営業にはどのような違いがあるのでしょうか?

外資系企業の少数精鋭主義に見る「なぜ彼らは日本企業の営業に勝てるのか?」

日本にも数多くの外資系企業があります。本社が海外にあり、グローバルに事業展開を行う中、日本にも進出している企業です。その多くの外資系企業の営業パーソンたちは、世界中の支社で共通して行う高度な営業トレーニングを受講できます。世界中のどこでも通用するスキルトレーニングを受講している彼らは、いわば「世界標準の営業スキル」を身につけているのです。私が以前在籍していた外資系企業でも、様々な営業研修やトレーニングが用意されており、実際に多くの高度な営業トレーニングを受講する機会に恵まれました。

当時、日本の大手IT企業とよく受注競争をしていました。彼らとの受注競争で、外資系企業との違いを特に痛感したのはお客様が行う入札説明会でした。金額の大きな案件では、お客様が入札説明会を行いますが、日本企業と外資系企業ではその入札説明会に参加する人数が明らかに違っていました。日本の大手IT企業は10名もの人が参加する一方、私たちは2~3名でした。

これだけ少人数の私たちでも、日本の大手IT企業に勝つことができたのです。少数精鋭で受注を獲得できた勝因は、世界で通用する「世界標準の営業スキル」トレーニングのおかげでした。

日本の企業の営業の特長の1つである「人海戦術」に対して、外資系企業は少ない人数で、個々が最大限に戦略性を発揮し、知恵を絞り、そして勝利を収めています。外資系企業は少数精鋭、つまり、生産性の高い営業パーソンを育成し、活躍させているのです。

「人海戦術」に頼る日本の営業のスタイルと営業スキルでは海外では通用しない!

日本企業の営業パーソンが、日本国内において、日本企業のお客様を相手に営業を行なう際の営業トークは、一般的には以下のようなものです。

◆ 何か検討しているものがありませんか?
◆ こんなすごい技術を今回発表しました!
◆ 今までのお取引もありますし、是非今後もお声がけください!
◆ 新しい製品が出ました!

これらは商品を紹介することを中心とした営業トークです。日本企業の製品は高性能/高品質なので、新商品を紹介/説明するだけで、ある程度売ることができます。営業パーソンは、その商品の持つ力に頼って営業することができます。そのため、営業パーソンは、お客様のもとへ数多く訪問し、お客様のご依頼に素早く対応し、場合によっては徹夜したり接待したりして熱意を示すことで、「おたくはがんばってくれているねぇ」とお客様に感じてもらい買ってもらうことができます。

日本で「営業が強い会社!」と言われている企業が幾つかありますが、「商品紹介/説明」型営業が行われています。そのため、日本の営業パーソンに行われている営業研修の内容は下記のようなものが多いです。

◆ 信頼関係の構築
◆ コミュニケーションやトークスクリプト(応酬話法)
◆ 営業マインド研修 (優秀な営業パーソンの意識と行動をしる)

これらの研修で営業方法を学んだ営業パーソンたちが増え、その上で「人海戦術」を発揮する。これが日本では最強とされている営業スタイルです。しかし、このような営業方法は海外では通用しません。それどころか、数年もすると、日本でもこれだけの営業方法では通用しなくなるでしょう。

日本国内であれば「人海戦術」ができますが、海外現地ではそのような余裕をもって営業人員を雇用することはできません。ゆえに、企業のグローバル化を考えるならば、生産性の高い営業パーソンを育てる必要があるのです。日本の営業パーソンの資質とは全く違う、少数でも海外で存分に営業活動ができる能力を鍛えなければなりません。

「語学力」だけでは海外での営業活動はできない、日本と同じ営業手法は使えない!

結論から言うと、「語学力があれば良いのか?」というと、そうではありません。

海外に進出しようとする日本企業が「海外営業」に求める必須スキルは「英語力」です。日本企業は、その人の英語力をみて「海外営業ができそうかどうか?」を判断しています。英語だけではなく、その進出する先の現地の言葉も使えるとさらに重宝されます。

そのため、海外で営業活動を行なっているほとんどの人は、英語など語学ができる人たちです。しかし、現実として、英語が話せる人たちが「日本と同じ営業手法」を海外企業に行ってもうまくいっていません。実際に、海外に進出したクライアント企業の経営者から、下記のような「海外の営業に関わる悩み」をよく伺います。

◆ 海外の企業は、事業内容や組織などがよくわからない、難しい。
◆ 日本でやっていた「商品紹介/説明」型営業は通用しない。

日本で通用する「商品紹介/説明」型営業は、商品の話を中心にした商談のため、その主な営業先は現場の課長や主任となります。日本では、「課長や主任に商品を紹介/説明する」という営業スタイルで売ることできたのです。

しかし、これは海外では通用しません。海外では、社長、取締役、事業部長といった強い決定権を持つ人物との関係性を深めて、商談しなければ商品を買ってもらえません。これまでの「商品紹介/説明」型営業のスキルでは、経営の全体像を俯瞰して見ているハイレベルなポジションのお客様を納得させる商談能力が足りません。

したがって、海外で通用する営業を行うためには、営業パーソンは語学力だけでなく、今まで日本で行ってきた「商品紹介/説明」型とは違う営業スキルを学ばなければいけないのです。海外で勝てる営業パーソンの必須スキルを身に着けた営業バーソンを育成する必要があります。

グローバルな活躍が求められる海外営業パーソンに必要な「世界標準の営業スキル」とは?

海外進出先で競争する相手は、日本企業の営業ではない

海外進出した時、競争するライバル企業は日本企業ではありません。当たり前のことでありながら、そのことをはっきりと認識せずに日本の営業方式をそのまま行っている企業が少なからずあります。ですが、海外での競争相手のほとんどは、グローバルで事業を行っている海外企業です。

グローバルで事業を行っている海外企業は、営業パーソンの営業力強化やトレーニングに投資をしています。その教育投資の必要性を理解しているからです。そのため、その投資が必ず売上や営業利益という形で返ってくるようなマネジメント体制もできています。そして、営業パーソンの評価にしても、売れば売るだけインセンティブ(報酬)を手にすることができる仕組みとなっており、それが営業パーソンのモチベーションを高めています。

海外で営業活動をするということは、そのようなグローバルに事業をしている海外企業と競い合っていかなければなりません。日本の営業パーソンが、海外の企業を相手に競い合い、確実に売上を高めるためには、今まで受けてきた営業研修やトレーニングとは違う「世界標準の営業スキル」を身につけることができる研修やトレーニングを受けることが必須です。

世界企業を相手に競争するための「世界標準の営業スキル」とは

一般的に、海外のグローバル企業が実施している営業研修やトレーニングは下記のようなプログラムです。

◆ 価値提案
◆ 顧客組織分析
◆ 競合戦略
◆ エグゼクティブアプローチ
◆ ビジネス交渉
◆ ビジネスプレゼンテーション

これぞまさしく「世界標準の営業スキル」と言えるでしょう。日本の営業パーソンは、このような高いレベルのスキルトレーニングを受けていません。そのために、これらのスキルを苦手にしている営業パーソンが多いです。

まず、お客様に対して価値の提案ができる営業パーソンはほとんどいません。営業パーソンが扱うべき「価値とはなにか?」についても明確に理解できていません。そして、顧客の組織や組織内権力の分析に関わろうとせず、避けようとしています。また、競合に関する情報を集め、強み/弱みを理解している営業パーソンも少ないです。さらに、日本人は交渉が下手です。また、「お役に立ちます!」とはいえますが、「確実に成長できます!」「儲かります!」という強い言葉でプレゼンテーションできる営業パーソンはほとんどいません。

桁違いのプロフェッショナル「グローバル企業の営業パーソン」に勝たなければならない

グローバルな時代です。「グローバルで事業を行う海外企業を相手に営業をする」ということは、世界標準と言える高度なトレーニングを受講したことがあり、かつ、貪欲で自己主張ができて意識が高い「グローバル企業の営業パーソン」と渡り合っていかなければなりません。「グローバル企業の営業パーソン」は、日本の営業パーソンと比べ、ビジネスという観点において桁違いのプロフェッショナルです。

海外では、十分に営業パーソンを教育していない日本企業との競争ではなく、プロフェッショナルな営業パーソン育成に惜しみなく投資しているグローバル企業と渡り合って、勝たなければならないのです。

「世界標準の営業スキル」は国内での喫緊の課題「働き方改革」でも必須

グローバルで活躍できる「世界標準の営業スキル」は、日本政府が盛んに言う「働き方改革」への対応にも必須です。残業することで売上目標を達成する時代が終わろうとしている昨今、社員が定時退社できて、なおかつ、売上目標を達成するためには、営業パーソン一人一人の「時間生産性」を高める必要があります。そのため、営業パーソンには、合理性/効率性を追求した営業スキルが必要となります。すなわち「世界標準の営業スキル」を駆使することが強く求められる時代が到来したのです。そもそもグローバル企業も、「時間生産性を高める」という目的で「世界標準の営業スキル」を強化していたのですから、日本での「働き方改革」への対応にも必須となるものです。

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グローバルな環境で「海外企業相手に営業する」そして「海外のライバル企業と競い合う」そんな営業パーソンを育成しよう

「語学ができる」だけではグローバルで事業を行う企業の営業パーソンには勝てません。海外企業は、日本の企業のように、ホームページにこと細かく丁寧に会社の情報を公開していないので、情報収集力も必要です。「いいものだから検討してくれ!」の言葉だけでは、全く通用しません。少なくとも「ビジネスの観点で、こんなに効果があるのだ!」と提案し、そして交渉ができないと、お客様は「買いたい!」とすら思ってくれません。

グローバルな環境で「海外企業相手に営業する」そして「海外のライバル企業と競い合う」ためには、今までの日本での営業方式から新しい営業スキルの獲得への軌道変更が必要です。その結果、トレーニングを受けた一部の営業パーソンだけが「世界標準の営業スキル」を身に着け、海外で成果を出すことができるようになります。海外進出する以上、そのような強力な営業パーソンを育てる必要があります。

さらに、日本国内に目を転じても、「働き方改革」が待ったなしの状態です。その対策のために、合理性/効率性を追求した営業スキル、すなわち「世界標準の営業スキル」で、営業パーソン一人一人の「時間生産性」を高めることが必要です。「時間生産性」を高め、社員が定時退社できるようになる、そのことを本気で目指さなければならない時代です。

数日でそのような「海外で活躍できる」「時間生産性の高い」営業パーソンを育てられるはずがありません。2~3年という長い期間がどうしても必要になります。今すぐ育成をスタートして、海外で活躍できるスキルを持った営業パーソンに育つのは2~3年後。ゆっくりしている時間はないのです。

私たちは、多くの営業組織の業務改善/パフォーマンス向上/変化変革を実践しました。事業を成長させるための豊富なノウハウと経験があります。貴社と力を合わせて問題を発見し、その問題を解決します。是非、グローバルな営業で成功できる、「世界標準の営業スキル」を身に着けた営業パーソンの育成方法について話し合えれば幸いです。あなたの会社の海外営業の営業力を向上するお手伝いをいたします。遠慮なくお問い合せください。

(本ノートは、2011年4月14日に書かれたものを再編集しました)
文:ティ・スクエア㈱ 寺尾 卓巳 (てらおたくみ, Takumi Terao)
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